
複雑な作業を頼むと、途中でAIが迷走してしまう……
「使えるAI」を探し続けているのに、なかなか定着しない……
このような悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?
便利なはずなのに、この「プロンプト疲れ」のせいで毎日が楽になっていないと感じる方は多いはずです。
そんな中、いま爆発的な支持を集めているのが「Hermes Agent(ハーメス・エージェント)」です。
Hermes Agentは、一度教えた手順を記憶し、使うほどにあなた専用の専属アシスタントへと育つ自律型のAIエージェントです。
そこで、この記事では、Hermes Agentについて基礎から実践まで網羅的に解説しています。
ぜひ最後までお読みください!
この記事を読めば分かること
- Hermes Agentとは何か?なぜ今注目されているのか?
- 具体的に何を自動化・効率化できるのか
- OpenClawなど競合ツールとの違い
- デメリットや注意点
- 料金・コストの実態
- ローカルとVPS、どちらで動かすべきか
- 実際のインストール・環境構築の流れ

こちらの記事は、プログラミング・Web制作歴15年以上、ブログ歴10年以上のプログラマーが書いています。
AIエージェントやサーバー関連ツールを実際に使い倒した経験をもとに、読者目線で分かりやすく解説しています。
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Hermes Agentとは?なぜ今注目されているのか?
既存AIツールの限界と「プロンプト疲れ」
ChatGPTやClaudeを日常的に使っていると、「昨日説明した前提条件、もう忘れてる……」と感じることはありませんか?
また、Web検索からスプレッドシートへの入力など、複数アプリをまたぐ作業は結局人間が手作業で繋ぐしかありませんでした。
こうした「記憶力の限界」と「手作業の手間」を解消し、「一度の指示で済み、自律的に動いてくれる」のがHermes Agentです。
Hermes Agentの登場と急成長
Hermes Agentは、米国のAI研究組織「Nous Research」が開発したオープンソースの自律型AIエージェントです(2026年2月リリース、最新はv0.11.0)。
この急成長の背景には、競合ツール「OpenClaw」で2026年2~3月にセキュリティ問題が相次いで発覚したことがあります。
OpenClawは先行する人気ツールでしたが、この異常事態に、セキュリティを重視するユーザーを中心にHermes Agentへの移行が加速しました。
Hermes Agentは先行ツールの教訓を踏まえ「後発組として最適化された設計」になっており、セキュリティと自己学習のバランスに優れている点が特徴です。
Hermes AgentはLLMではなくフレームワーク
ここで重要なのが、Hermes AgentはChatGPTのような「AIモデル(LLM)そのもの」ではないという点です。
Hermes Agentは、外部のLLMを呼び出して活用するための「AIエージェントフレームワーク」です。
Claude、GPT、Geminiなど200以上のモデルと組み合わせて使えるツールになります。
例えるなら、Hermes Agentは「優秀なマネージャー」です。
マネージャー(Hermes Agent)自身は仕事をしません。
ですが、あなたから指示を受けると、文章が得意なClaude、分析が得意なGPTなど、最適なプロのAIを使い分けて作業を実行してくれます。
特定のAIに縛られないため、
- 新しい高性能モデルが出ればすぐに乗り換えられる
- コストが上がったら別のモデルに切り替える
といった使い分けができる柔軟性が、フレームワークならではの大きな強みとも言えます。
Hermes Agentの特徴・できること
このセクションではHermes Agentの特徴や、何ができるかについて紹介していきます。
まず、Hermes Agentの主な特徴・できることはこの5つです。
- 使うほど賢くなる「自己成長スキルシステム」
- セッションをまたいで記憶する「永続メモリ」
- インストール直後から使える118以上のスキル
- いつものチャットで動くマルチプラットフォーム対応
- 自動で動く「Cronスケジューリング」
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
1. 使うほど賢くなる「自己成長スキルシステム」
Hermes Agent最大の特徴は、一度成功したタスクの「手順」を自ら記憶し、次回の作業に活かす自己成長機能(GEPA)です。
- 複雑なタスクを完了すると、その「手順」をスキルとして自動保存
- 次回、似たタスクが来た時は過去のスキルを参照し、より速く・正確に実行
- 使い込むほど作業速度が向上(独自テストで最大40%高速化)
つまり、最初は細かい指示が必要でも、数ヶ月後には「いつものフォーマットで報告書作っておいて」という一言で通じるようになります。
このようにあなた専用のアシスタントへと育っていくのがHermes Agentの最大の特徴でありメリットと言えます。
2. セッションをまたいで記憶する「永続メモリ」
先ほどの機能が「仕事の手順」を覚えるものだとすれば、こちらは「あなた自身の前提条件」を覚える機能です。
例えば、「あなたの職業」「好みの文体」「よく使うキーワード」「よく使うツール」といったプロフィールやルールを長期記憶としてしっかり保持します。
そのため、毎回「私は〇〇の仕事をしていて…」と説明しなくても、「いつものブログ用に記事を書いて」と頼むだけで、過去の文脈をすべて踏まえた上で的確に動いてくれます。
つまり、過去の文脈をすべて踏まえた上で的確な答えを返してくれるのもHermes Agentの特徴になります。
3. インストール直後から使える118以上のスキル
Hermes Agentの自己生成スキルは最大の特徴ですが、「自分でイチから覚えさせるのは大変そう…」と心配される方も多いはずです。
ですが、最初から豊富な機能セットが揃っているので、すぐに本格的な活用を始められます。
例えば、画像生成、GitHub連携、データ分析、メール自動送信など、最初から118以上(v0.10.0時点)の便利なスキルが標準搭載されています。
公式のキュレーションが効いた安全なスキルマーケットから、必要な機能を後から追加することも可能です。
4. いつものチャットで動くマルチプラットフォーム対応
Hermes Agentは、コマンドラインだけでなく、17種類のメッセージングプラットフォーム(v0.11.0時点)にも対応しています。
さらに、VS Codeなどのエディタ(IDE)とも連携できるため、コーディングの手を止めずにシームレスにAIへ作業を依頼できます。
5. 自動で動く「Cronスケジューリング」
Hermes Agentは、Cronスケジューラーが搭載されており、人間が何もしなくても自律的に働いてくれます。
例えば、
- 毎朝9時に競合情報を収集してSlackに投稿
- 毎週月曜に売上レポートを作成してメール送信
といった定期タスクでも自然言語で設定できます。
つまり、あなたが寝ている間も24時間365日、勝手に仕事を進めて結果だけを報告してくれます。
Hermes AgentとOpenClawを比較
2026年現在、自律型AIエージェントのオープンソースとして人気なのが「OpenClaw」と「Hermes Agent」です。
どちらも無料・セルフホスト可能・MITライセンスという共通点がありますが、その設計思想はまったく異なります。
じゃあ、「どっちを使えばいいの?」と疑問に思う方も多いはずです。
結論から言えば、使う目的によって正解が変わるので、両者の違いを正しく理解することが重要です。
そこで、このセクションでは、両者を詳しく比較していきます。
設計思想の違い
まず理解しておきたいのが、両者の根本的な「考え方の違い」です。
この違いを押さえておくと、どちらが自分に向いているか判断しやすくなります。
「AIは自らの経験から学ぶべき」という思想のもと設計されています。使い込むほどスキルが蓄積され、ユーザーの業務スタイルや好みを学習する「自己成長型」です。一言で表すなら「育てるAI」。
「AIをあらゆる場所のあらゆるものに接続する」という思想のもと設計されています。豊富なメッセージングプラットフォームに対応し、13,000以上のコミュニティスキルを持つ「ゲートウェイ型」です。一言で表すなら「繋げるAI」。
一方で、OpenClawは、使い始めから幅広い機能を提供してくれる即戦力型のAIツールと言えます。
この思想の違いは、アーキテクチャにも表れています。
Hermes Agentは、タスクごとに新しいセッションを立ち上げてコンテキストをクリーンに保つ設計です。
それに対し、OpenClawはすべてのチャネルからの指示を同一セッションで処理し、「一人の人格を持つバディAI」として振る舞う設計になっています(出典:Medium)。
機能・セキュリティの比較
設計思想の違いを踏まえた上で、Hermes AgentとOpenClawの主要な機能を比較してみましょう。
数字だけでなく、それぞれの「強み・弱み」を意識しながら見てください。
| Hermes Agent | OpenClaw | |
|---|---|---|
| 自己成長ループ | ◎ 標準搭載・自律的に改善 | △ 限定的 |
| 永続メモリ | ◎ SQLite+FTS5で全文検索 | △ 手動設定が必要 |
| 対応プラットフォーム | 17種類(v0.11.0時点) | 多数(メッセージング中心) |
| スキルエコシステム | 118以上(自己生成+公式) | 13,000以上(ClawHub) |
| GitHubスター数 | 約10~11万(2026年4月時点) | 約34~35万(2026年4月時点) |
| セキュリティ実績 | ◎ 公的なCVE報告は確認されず | △ 2026年2~3月に多数のCVE発覚 |
| セットアップの手軽さ | △ 初期設定にやや手間 | ◎ 比較的すぐ使える |
| モデル対応数 | ◎ 200以上(OpenRouter経由) | △ ネイティブ対応は少なめ |
表を見ると、OpenClawの方がプラットフォーム対応数やスキル数で上回っています。
一方、Hermes Agentはセキュリティと自己成長の仕組みで優れていることが分かります。
ただ、最も注目したいのは「セキュリティ実績」の差です。
これは記事執筆時点(2026.05.04)での情報であり、今後どう変化するかは分かりません。
ですが、「先行ツールの問題を踏まえて設計された後発ツール」というHermes Agentの性質上、当面はセキュリティ面での優位性が維持される可能性は高いと言えます。
セキュリティの違いをチェック
2026年2月から3月にかけて、OpenClawでセキュリティ上の深刻な問題が相次いで明らかになりました。
これが、Hermes Agentへの移行を加速させた大きな要因のひとつです。
・2026年2月3日に「ClawBleed」(CVE-2026-25253、CVSSスコア8.8)が公開、その後4日間でさらに9件のCVEが続出
・2026年3月18~21日にも9件のCVEが追加で公開、うち1件はCVSSスコア9.9(最大値10)
・スキルマーケット「ClawHub」の調査で、当初2,857件中341件(約12%)が悪意あるスキルと判明。その後の調査で悪意あるスキルは1,100件以上に拡大
・世界82カ国で13.5万件以上のOpenClawインスタンスが無防備な状態で公開
・2026年3月には中国政府がOpenClawの政府機関・国営企業での利用を制限するという事態にまで発展
一方、Hermes Agentは設計段階からこのリスクを回避しています。
悪意あるプログラムが混入するリスクが構造的に低く、2026年4月時点でも重大な脆弱性は報告されていません。
Hermes Agentはリリースから日が浅くOpenClawより運用実績が少ないので、まだ脆弱性が見つかっていないだけという可能性はもちろんあります。
しかし、OpenClawの失敗から学んで安全性を高めた設計になっている点は、運用する上での大きな安心材料と言えます。
どちらを選ぶべきか?
Hermes AgentとOpenClawの違いを踏まえると、選び方はシンプルです。
自分の状況に照らし合わせて判断してみてください。
- 同じ作業を繰り返すことが多く、AIに「やり方」を覚えてほしい
- セキュリティを重視し、専用環境でしっかり管理したい
- 長期的に使い込んで自分専用のエージェントに育てたい
- コンテキストをクリーンに保ちながらタスクを処理したい
一方、OpenClawはこのような人におすすめです。
- とにかくすぐに使い始めたい・セットアップの手間を最小限にしたい
- 多数のメッセージングアプリを一元管理したい
- コミュニティスキルの豊富さを活かして幅広い用途に使いたい
- 1つのAIとずっと同じセッションで話し続けたい(バディAI的な使い方)
一言でまとめるなら、「短期的な手軽さ」を求めるならOpenClaw、「長期的な自己最適化」を重視するならHermes Agentという選び方になります。
両ツールはMCPプロトコルで連携できるため、「OpenClawを入り口(メッセージ受付)、Hermesを頭脳(処理・学習)」といった併用も可能です。
Hermes Agentには、OpenClawのデータをワンコマンドで引き継げる機能(hermes claw migrate)も標準搭載されています。
「まずは手軽なOpenClawから始めて、後からHermesへ移行する」という柔軟な運用も簡単にできます(出典:GitHub公式リポジトリ)。
Hermes Agentの活用シーン
このセクションでは、Hermes Agentの具体的な活用シーンを紹介します。
情報収集・リサーチ自動化
毎朝の情報収集を自動化するのは、Hermes Agentの最も典型的かつ効果的な使い方です。
「決まった作業を毎日繰り返す」という業務は、人間がやるには苦痛ですが、AIにとっては最も得意な領域の一つです。
「@Hermes 毎朝9時に競合他社3社の最新プレスリリースを確認して。新製品の発表があったら内容を要約してSlackの#marketingチャンネルに投げておいて」
【Hermesの自律アクション】
① スケジューラ機能により毎朝9時に自動起動
② 検索ツールで各社サイトをスクレイピングし差分を抽出
③ LLMで情報を要約し新製品に関するものだけをフィルタリング
④ Slack API経由で指定チャンネルに自動投稿
⑤ 次回のために「競合サイトの構造」をスキルとして記憶
特に重要なのが、最後の「次回のために『競合サイトの構造』をスキルとして記憶」という部分です。
これがHermes Agentの一番の特徴で、初回は時間がかかるかもしれませんが、2回目以降は記憶したスキルを使って高速に処理できます。
OpenClawなど他のツールにはないこの「自己最適化」が、長期的に大きな差を生むことになります。
ブログ・コンテンツ運営の自動化
ブロガーにとって、記事作成はリサーチ・執筆・SEO対策・画像準備など多くの工数がかかります。
そこで、Hermes Agentを活用すると、最新トレンドの収集から記事の構成づくり、本文生成、WordPressやはてなブログへの投稿支援まで自動化できます。
「今週話題になったAIツールを5つリサーチして、それぞれの概要と特徴をまとめた記事の下書きを作って。WordPress下書き保存まで頼む」
【Hermesの自律アクション】
① Web検索で今週話題のAIツールをリサーチ
② 各ツールの概要・特徴・料金を整理
③ 記事の構成・本文を自動生成
④ WordPress APIで下書き保存
ただし、AIに記事生成を任せる際はGoogleの「scaled content abuse」ポリシー(AI大量生成コンテンツへの規制)に注意が必要です。
完全自動公開ではなく「下書き保存→人間チェック→公開」というハイブリッド運用が、SEO的にも安全な方法です。
SNS・定期レポートのスケジュール配信
毎日決まった時間に届くべき情報を、人間が手作業で配信するのは負担が大きいです。
「うっかり忘れた」「休日だったから止まった」が起こると、社内の信頼を失う原因にもなります。
ですが、こういった作業もHermes Agentに任せれば、人為ミスから完全に解放されます。
「毎朝8時に昨日の売上データをGoogleスプレッドシートから取得してまとめ、Slackの#salesチャンネルに投稿して」
【Hermesの自律アクション】
① cronで毎朝8時に自動起動
② Googleスプレッドシートから前日のデータを取得
③ 売上集計・前日比較・グラフ生成
④ Slackに自動投稿
コード開発・GitHub連携
エンジニアにとって、Hermes Agentは「優秀な後輩エンジニア」のように使えます。
リポジトリの状況を理解した上で、地味だが時間のかかる作業を肩代わりしてくれます。
「@Hermes 今プッシュしたfeature/loginブランチでCIが落ちてる。ログを読んで原因を特定し、修正パッチを当ててローカルテストまで回しておいて」
【Hermesの自律アクション】
① 指定リポジトリをフェッチしエラーログを読み込み
② DB接続の環境変数エラーと特定
③ コードを修正しサンドボックス内でテスト実行
④ テスト通過後にDiscordへ「修正完了」と報告
これは「コーディング作業の代行」というより、「面倒な調査・修正タスクの代行」という方が正確です。
本格的なロジック実装はエンジニアがやり、定型的な不具合修正はHermes Agentに任せる、という分業ができます。
ルーティン業務の自動化
日報作成・請求書処理・メールの仕分けといった毎日の定型業務も、Hermes Agentに任せられます。
使い込むほどあなたの業務スタイルを学習するため、同じ作業を繰り返すほど精度と速度が向上していきます。
最初は「今日のやったことを箇条書きで書いて、明日の予定も追加して」と詳細に指示する必要があります。
しかし1ヶ月もすれば、「今日の日報、いつものフォーマットで」だけで、あなたの好みに合った日報が出てきます。
ルーティン業務の自動化も、Hermes Agentが得意とする分野の一つです。
ブラウザ自動操作(Computer Use)
APIが提供されていない古い業務システムでも、Hermes AgentはブラウザのUIを直接操作することで自動化を実現できます。
これがComputer Useと呼ばれる機能で、長年解決できなかった「APIなし業務システムの自動化」を可能にする革新的な機能です。
「経費精算システムの画面を開いて、ダウンロードフォルダにある今月分の領収書PDFを見ながら金額と日付を入力して申請を出しておいて」
【Hermesの自律アクション】
① PDFをVLM(視覚言語モデル)で解析し領収書内容を取得
② ブラウザを起動し経費精算システム画面を視覚的に認識
③ マウス操作で自動入力し申請ボタンをクリック
日本企業では、いまだに古い業務システムが現役で動いていることが多く、これらの自動化は長年の課題でした。
Hermes Agentは「画面を見て理解する」アプローチで、この問題を一挙に解決することができます。
音声・画像生成
Hermes AgentはテキストだけでなくFAL.ai経由での画像生成、ElevenLabsやOpenAI TTSなど複数のプロバイダに対応した音声合成(TTS)にも対応しています。
さらに、音声メモの文字起こしにも対応しています。
これにより、ブログのアイキャッチ画像生成、ポッドキャスト用の音声合成、会議録音の自動文字起こしなど、マルチメディア領域の自動化も一つのツールで完結します。「テキストAI」「画像AI」「音声AI」と複数のサービスを契約する必要がない点も、コスト面・運用面でのメリットです。
Hermes Agentのデメリット・注意点
Hermes Agentは非常に強力なツールですが、現時点では課題もあります。
便利な面だけを見てあとから後悔しないよう、導入前に以下の4点を確認しておきましょう。
1. 使いこなすまでに手間がかかる
Hermes Agentは「インストールしてすぐ使える」ツールではなく、初期設定にある程度の手間がかかります。
- 初期設定の工数:VPS準備・LLM選定・APIキー取得・プラットフォーム接続などが必要
- 自己学習メモリ(Honcho)がデフォルトOFF:明示的に有効化する設定が必要
- 公式ドキュメントが英語のみ:トラブル時は英語の一次情報を読む必要がある
特に注意したいのが②の「自己学習機能(Honcho)」です。
これを有効化し忘れると「使うほど賢くなる」という最大の恩恵を受けられません。
最初の設定は手間取る事がありますが、そのあとは驚くほど便利になります。
2. 精度・安定性の課題
運用にあたっては、以下の点に留意が必要です。
- モデルによる品質のばらつき:どのLLMをバックエンドに使うかで動作精度が大きく変わる
- スキルの自動上書き:自己学習の過程で、手動カスタマイズしたスキルが上書きされるケースがある
- 開発ペースが速すぎる:v0.8.0(4/8)→ v0.9.0(4/13)→ v0.10.0(4/16)→ v0.11.0(4/23)と、わずか半月で4回のメジャーアップデートが行われた
開発の勢いがあるのは魅力的ですが、③のようにアップデートが頻繁すぎると「ある日突然動かなくなる」リスクも伴います。
本番運用では、むやみに最新版を追わず「1つ前のメジャーバージョンに固定する」といった慎重な運用をおすすめします。
3. 動作環境の制限
ここでは「OS(システム)環境」と「エディタ(開発)環境」の2つの側面で、導入前に知っておくべき制限を説明しておきます。
・開発環境の制限(コーディング特化ではない):VS Codeなどのエディタ環境と連携はできますが、コード補完に特化したツールではありません。
OS環境の制限である「WSL2の導入」は難しそうに聞こえるかもしれません。
ですが、実際はターミナルで wsl --install と1回コマンドを打つだけ(約10分)で終わります。
一度入れてしまえば今後の幅も広がるため、そこまで大きなデメリットにはなりません。
「コーディング特化ではない」について補足すると、Hermes Agentはあくまで業務やリサーチを自動化する「アシスタント」のような立ち位置です。
もし主な目的が「自分がコードを書く環境をAIに手伝ってほしい(コード補完など)」であれば、Claude CodeやCursorといったコーディング専用の環境(ツール)を導入する方が適任です。
4. セキュリティ上の注意点
Hermes Agentはファイル操作やコマンド実行など、非常に強い権限を持つツールです。
AIに何でもできる権限を渡すからこそ便利に自動化できる反面、悪意ある指示(プロンプトインジェクションなど)に従ってしまった場合の被害は大きくなります。
大切なデータが入った業務PCや個人のPCに直接入れるのは避けた方がいいです。
Docker・VPS・クラウドサーバーなど、切り離された専用環境で動かすのが安全です。
少し試す程度なら問題ありません。
ですが、本格運用には別の環境を用意するのが賢明です。
その具体的な環境選びについては、後ほど別セクションで説明します。
Hermes Agentの料金・コスト
Hermes Agentを利用する上で発生する料金・コストについてもまとめておきます。
フレームワーク自体(Hermes Agent本体)は無料
Hermes Agent本体は、MITライセンスで完全無料で、商用利用も自由に行えます。
これは多くのユーザーにとって嬉しいポイントで、「まず試してみる」のハードルを大きく下げています。
ただし、実際に使うには、API(AIモデルの使用)などのコストが発生します。
「無料だと思っていたら意外とお金がかかった」という事態を防ぐためにも、事前に把握しておきましょう。
本格運用で実際にかかるコストの内訳
大前提として、上記でも説明したようにHermes Agent自体は無料です。
ただ、本格的にHermes Agentを使って日々の業務や作業を効率化するなら、費用が発生することもあります。
費用が発生する場合、主なコストは「LLM APIの使用料」と「サーバー代(VPS、専用サーバー、クラウドなど)」の2つです。
それぞれの目安を表にまとめました。
| 内容 | 目安 | |
|---|---|---|
| LLM APIキー費用 | OpenRouter・Anthropic・OpenAIなど | 複雑なタスク1件あたり約$0.05~$3.00 |
| VPS費用(任意) | 常時稼働させる場合に必要 | 1,000円程度~ |
SaaS型AIツール(月額$20~$200)と比較すると、コスト面での優位性は大きいです。
ただし、サーバー管理やトラブルシューティングにかかる時間コストも考慮した上で選択しましょう(出典:TokenMix Research Lab)。
VPS代を含めても、月3,000~4,000円程度。ChatGPT Plus(月$20)1つ分の料金で、自分専用のAIエージェントが手に入る計算です。
「使うほどに自分専用になっていく」という利便性を考えれば、コスパは非常に良いと思います。
ただ、APIの利用料に関しては、使用するAIモデルなどによっても変わってくるので、その点も注意しておきましょう。
完全無料で使う方法はある?
いきなりお金をかけるのは心配
できればずっと無料でHermes Agentを使い続けたい
という方でも大丈夫です。
もちろん、費用をかけずにHermes Agentを完全無料で使い続けることもできます。
主な方法としては2通りです。
その上で、AIのモデル代を以下のどちらかで無料にします。
① ローカルAIを直接動かす(永続運用の推奨)
Ollamaなどのツールを使い、自分のPC内で「Llama 3.1」や「Hermes-3」などの軽量モデルを直接動かす方法です。外部のAPIを通さないため、制限に左右されず最も確実に「永続的・無制限・無料」で使い続けられる選択肢です。
② 完全無料のAPIを利用する
OpenRouterなどで提供されている完全無料モデルのAPIキーを利用する方法です。PCのスペックが低くても動くメリットがありますが、1分間の利用回数制限(レートリミット)があったり、プロバイダーの都合で突然無料枠が終了したりするリスクがあります。
つまり、外部に依存しない「①のローカルAI」を使えば、PCさえあれば永遠に無料で自分専用のエージェントを動かし続けることができます。
【無料運用の注意点(トレードオフ)】
ただ、無料で使い続ける場合には、有料運用と比べて以下の2点は妥協する必要があります。
- PCの電源が入っている時しか動かない:自分が寝ている間(PCを閉じている間)に、自動でリサーチやスケジュール実行をさせることはできません。
- AIの精度が有料モデルには劣る:軽量なローカルAIや無料APIモデルは、最新の有料モデル(GPT-4など)と比べると、複雑な指示への対応力がやや落ちる場合があります。
まずは、Hermes Agentを使って何をできるか実際に試してみたい方には、ローカル環境で無料で利用するのがおすすめです。
さらに、24時間稼働させるなら、VPSやクラウド環境などのサーバーを用意するのがおすすめです。
Hermes Agentを実際に動かす方法
Hermes Agentを実際に動かす主な方法としては、
- ローカル環境で動かす
- VPS・クラウドサーバーで動かす
という2パターンです。
それぞれの方法についてもう少し詳しく説明していきます。
ローカル環境で動かす
「まずはHermes Agentを試してみたい」「ローカルで軽く使うだけ」という方にはローカル環境での利用がおすすめです。
【デメリット】:PCの電源が入っているときしか動かない。Cronスケジューリングなど「常時稼働前提」の機能が使いにくい。PCが壊れるとAIの「記憶喪失」に直結。
ローカル環境だと費用も抑えられて、手軽に使用を開始できます。
また、データが自身のPC内にあるので、個人情報が外部に流出する可能性を減らすこともできます。
なぜなら、PCを閉じている時間はHermes Agentも止まっており、さらに学習する機会も減ってしまうからです。
本格的に自分専用に育てたいなら、VPSやクラウドサーバーを契約して自前のサーバー環境を用意する必要があります。
VPS・クラウドサーバーで動かす
自前でサーバーを用意する方法はいくつかありますが、費用を抑えるならVPSやクラウドサーバーをおすすめします。
また費用に余裕のある方は、高性能な専用サーバーを借りてHermes Agentを動かすのもおすすめです。
【デメリット】:サーバー費用が発生する。
月額1,000円程度のコストで、24時間365日稼働する自分専用のAIサーバーが手に入ります。
もし大規模な環境でHermes Agentを動かしたい場合は、専用サーバーもおすすめです。
ただ、日常業務や作業の効率化などであれば、VPSでも問題なく使用できることが多いです。
ローカル環境 vs VPS 比較表
ローカル環境とVPSの特徴を一目で比較できるよう、表にまとめました。
どちらが自分に向いているかを判断する際の参考にしてください。
| ローカル環境 | VPS・クラウドサーバー | |
|---|---|---|
| 稼働時間 | PC起動中のみ | 24時間365日 |
| コスト | 無料 | 月額1,000円~ |
| プライバシー | ◎ | 〇 適切な設定で安全性を保てる |
| PCへのリスク | △ メインPCへのリスクあり | ◎ 専用環境で分離可能 |
| Cronスケジューリング | △ PC起動時のみ | ◎ 完全自律運用 |
| セットアップの手間 | ◎ 比較的簡単 | △ 初期設定が必要 |
| 向いている人 | まず試したい人 | 本格運用したい人 |
※外部のAPI(AIモデル)を使用する場合、別途費用が発生します。
表を見ると分かる通り、「とにかく試してみたい」ならローカル、「本格的に自動化を活用したい」ならVPSという使い分けが基本です。
いきなりVPSを契約するのは怖いという方は、まずは「最初の2週間はローカルで試して、納得したらVPSに移行」といったステップが最もスムーズです。
ただ、本格的に使いたいと考えているのなら、早くVPSを契約しHermes Agentをインストールして動かす方がいいです。
本格運用にはVPSがおすすめな理由
Hermes Agentの真価は、何度も説明しているように
- 24時間常時稼働
- 自己学習の蓄積
にあります。
例えば、スケジューリングや自動通知、24時間リサーチといった機能は、常にサーバーが動いている環境があってこそ本来の力を発揮します。
さらに、「自己学習が継続的に進む」ためにも、常時稼働は大きな意味を持ちます。
しかし、VPSで24時間動かしていると学習の機会も増え、ローカル運用よりも早いペースで「あなた専用のAI」に育っていきます。
また、前述の通りHermes Agentはファイル操作やシェルコマンドなど高い権限を持ちます。
そのため、メインPCとは切り離した専用環境での運用がセキュリティ面でも推奨されています。
万一悪意ある指示で問題が起きても、VPS上で隔離されているため、メインPCには影響しません。
Hermes Agentの始め方(流れ)
Hermes Agentの始め方についてもまとめておきます。
事前に準備しておくもの
Hermes Agentを始めるにあたって、インストール前に以下の2つを用意しておきましょう。
- 動作環境(エージェントを動かす場所)
用途に合わせて、以下のどちらかを用意します。
・自分のPCで試す場合:MacならそのままでOK。Windowsなら「WSL2」を導入します(ターミナルでwsl --installと打つだけでPC内にLinux環境が作れます)。
・VPSで本格稼働させる場合:事前にサーバー契約が必要です(契約したサーバーには最初からLinuxが入っているため、自分でOSを用意する手間はありません)。 - LLMのAPIキー
AIを呼び出すための「鍵」です。OpenAI、Anthropic、Googleなどから取得します。
最初のAPIキーはOpenRouterで取得するのが一番簡単です。1つのアカウント・1つのキーを作るだけで、Claude・GPT・Geminiなど200以上のモデルを自由に切り替えて使えます。各社で個別に登録・課金する手間が省けるため、運用が圧倒的に楽になります。
ローカル環境でのインストール手順
Hermes Agentのインストールから初期設定までは、基本的に以下のコマンドを順番に実行するだけで完了します。
1. インストール
公式のインストールスクリプトを実行します。
curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/NousResearch/hermes-agent/main/scripts/install.sh | bash
2. 初期セットアップ
対話型のウィザードが起動します。画面の指示に従ってAPIキーなどを設定してください。
hermes setup
3. 動作確認(環境診断)
インストール後の検証コマンドです。正しく環境が構築できたか診断します。
hermes doctor
4. OpenClawからの移行(※該当者のみ)
OpenClawを利用していた方は、スキルやメモリを以下のワンコマンドで引き継げます。
hermes claw migrate
VPSでの構築の流れ
次は、VPS(サーバー)を利用して、Hermes Agentを稼働させるための流れを説明します。
1. VPSの契約
まずはVPSの申し込みを行います。自分でOSをインストールする手間はありません。
2. サーバーへの遠隔接続(SSH接続)
自分のPCのターミナルを開き、契約したVPSへSSH接続でアクセスします。
ssh ユーザー名@サーバーのIPアドレス
3. インストール
VPSの中に入ったら、ローカル環境の時と全く同じコマンドを実行してHermes Agentをインストールします。
curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/NousResearch/hermes-agent/main/scripts/install.sh | bash
4. 初期セットアップ
インストールが終わったら、APIキーなどを設定するためのウィザードを起動します。画面の指示に従って入力してください。
hermes setup
5. 常時稼働(バックグラウンド実行)の開始
最後に、自分がPCを閉じてもVPS上でAIが働き続けるように、「tmux(ターミナルを裏で動かすツール)」などを使ってHermes Agentを起動させます。
ConoHa VPSなら、スタートアップスクリプト機能を使うことで、上記の複雑な初期設定を大幅にスキップできます。
申込時にHermes Agentのテンプレートを選ぶだけで、環境が自動構築されます(2026年4月28日より提供開始)。
ConoHa VPSを利用することで、APIキーさえ用意しておけば、すぐにHermes Agentを使い始めることができます。
参照:GMOインターネットプレスリリース
ConoHa VPSのスタートアップスクリプトを使えば、上記5ステップのうち、ステップ3~4がほぼ自動化されます。
手動でコマンドを打つ部分が大きく減るので、初心者の方には特におすすめです。
Hermes Agentに関するよくある質問
Hermes Agentに関するよくある質問をまとめておきます。
フレームワーク自体はMITライセンスで完全無料です。ただし、LLMプロバイダーのAPIキー費用(タスクの複雑さによって変動)と、常時稼働させる場合はVPSの月額費用(1,000円程度)が別途必要です。ローカル環境+無料枠のAPIキーであれば、費用ゼロで始めることもできます。
OpenRouter・Anthropic・OpenAI・Google(Gemini)など、主要なLLMプロバイダーすべてに対応しています。OpenRouterを使えば1つのAPIキーで200以上のモデルを利用できるため、初心者にはOpenRouterがおすすめです。Nous Portal経由でNous Research独自のモデルを使うことも可能です。
はい、使えます。ただしPC起動中のみ稼働するため、Cronスケジューリングなど「常時稼働前提」の機能は十分に活用できません。まず試してみたい方にはローカル環境が手軽でおすすめです。本格運用を目指す場合はVPSへの移行を検討してみてください。
ネイティブWindowsには対応していません。ただしWSL2(Windows Subsystem for Linux)をインストールすれば、Windows上でも利用できます。WSL2のインストールは wsl --install コマンドで簡単に行えます。
ChatGPTやClaudeは「LLM(大規模言語モデル)」であり、ブラウザやアプリ上でチャットするためのツールです。一方、Hermes Agentはそれらのモデルを外部から呼び出して使う「AIエージェントフレームワーク」です。ChatGPTやClaudeをより強力に・自律的に・継続的に使うための実行基盤と考えると分かりやすいでしょう。
はい、引き継げます。Hermes Agentには hermes claw migrate コマンドが標準搭載されており、OpenClawの設定・メモリ・スキル・APIキーをワンコマンドで自動移行できます。事前に --dry-run オプションを使えば、何が移行されるかを事前確認することも可能です。
Hermes Agent自体は軽量で、LLMの推論処理は外部のAPIに委任するため、GPUは不要です。月額1,000円程度の最小スペックVPS(CPU 1~2コア、メモリ1~2GB)から始められます。本格運用するなら、メモリ4GB以上のプランがおすすめです。
まとめ
今回は、Hermes Agentについて基本から使い方・環境構築まで詳しく解説しました。
最後に、この記事で伝えたかった核となる考え方をお伝えします。Hermes Agentは「使うほどに自分専用になっていくAI」という、これまでにない体験を提供してくれるツールです。最初の1ヶ月は「思ったほどすごくないな」と感じるかもしれません。しかし3ヶ月、半年と使い続けるうちに、他のAIツールでは絶対に実現できない「あなたの右腕」のような存在に育っていきます。
これは「短期の便利さ vs 長期の最適化」のトレードオフです。すぐに使い始めて、すぐに便利さを実感したい方には、もしかするとOpenClawの方が向いているかもしれません。でも、「長く使い込んで、自分専用に最適化されたAIを育てたい」と考える方には、Hermes Agentこそが正解です。
Hermes Agentについてざっくり要点をまとめると、以下の通りです。
- Nous Researchが開発したオープンソースのAIエージェントフレームワーク(LLMそのものではない)
- 2026年2月25日リリース、約2ヶ月で10万スターを突破した急成長ツール
- 「使うほど賢くなる自己成長スキルシステム(GEPA)」が最大の特徴
- Discord・Slack・Telegramなど17種類のプラットフォームと連携可能(v0.11.0時点)
- フレームワーク自体は無料。APIキーとVPS費用は別途必要
- 本格運用にはVPSがおすすめ。ConoHa VPSならスタートアップスクリプトで簡単構築
「2026年は、AIをどう育てるかで生産性に決定的な差がつく年」だと私は考えています。汎用ツールを使い続けて毎回ゼロから説明するのか、それとも自分専用に育てたAIに任せるのか。後者を選ぶ方には、Hermes Agentが強力な選択肢になります。
毎日のルーチンワークに時間を取られている方、最新のAIエージェントを自分の手で試してみたい方は、ぜひHermes Agentを導入してAIを「育てる」新しい体験に踏み出してみてください。
参考リンク
本記事の執筆にあたり参照した公式情報・一次ソースを以下にまとめています。より詳しく調べたい方はぜひご覧ください。
- Hermes Agent 公式ドキュメント:https://hermes-agent.nousresearch.com/docs
- Hermes Agent GitHub:https://github.com/NousResearch/hermes-agent
- ConoHa VPS Hermes Agentスタートアップスクリプト:https://doc.conoha.jp/products/vps-v3/startupscripts-v3/hermes-agent/
- GMOインターネット プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005352.000000136.html







