
2026年2月〜3月にかけて、AWSとMicrosoftがほぼ同時期に、AIコーディングエージェント向けのクラウドプラグインをリリースしました。
- AWS:「Agent Plugins for AWS」(2026年2月17日公開)
- Microsoft:「Azure Skills Plugin」(2026年3月9日公開)
どちらも、Claude CodeやCursorなどのAIコーディングエージェントに「クラウドの専門知識」を与え、自然言語の指示だけでアーキテクチャ設計からデプロイまでを自動化できるようにするプラグインです。
Claude Codeを使ってAWSやAzureへのデプロイを効率化したいエンジニアの方は、ぜひ参考にしてください。

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プライベートでも仕事でも多くのレンタルサーバーを利用してきた経験から、サーバーに関する豊富な知識をもとに書いています。
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そもそも「エージェントプラグイン」とは何か?
まず、エージェントプラグインの概念を理解しておきましょう。
代表的なものには、Claude Code、Cursor、GitHub Copilot CLIなどがあります。
ですが、AIコーディングエージェントは、
- どのクラウドサービスを使うべきか?
- デプロイ前に何を検証すべきか?
といった判断はまだ苦手です。
「スキル」「MCPサーバー」「フック」などをパッケージ化し、エージェントが状況に応じて自律的に呼び出せるようにしています。
これまでは、AIエージェントにクラウドの知識を与えるには、膨大なマニュアルをプロンプトに毎回貼り付ける必要がありました。
これでは、トークンを大量に消費し、チーム間で品質を統一することも難しいというデメリットもありました。
エージェントプラグインは、この問題を「再利用可能でバージョン管理されたスキル」としてパッケージ化することで解決しています。
プラグインの中身は主に「スキル(AIへの指示書)」「MCPサーバー(外部APIとの接続)」「フック(自動チェック)」の3つです。
Agent Plugins for AWSとは?
Agent Plugins for AWSは、AWS Labsが2026年2月17日にGitHubで公開したオープンソースのプラグイン集です。
それにより、「deploy to AWS」と自然言語で指示するだけで、アーキテクチャ設計からコスト見積もり、IaC(Infrastructure as Code)の生成、デプロイまでを一貫して行うことができます。
出典:Introducing Agent Plugins for AWS | AWS Developer Tools Blog
Agent Plugins for AWSの主なプラグイン
Agent Plugins for AWSには、複数のプラグインが用意されています。
- deploy-on-aws:コードベースを解析し、最適なAWSサービスを推薦。コスト見積もりとIaC生成まで行う
- aws-serverless:Lambda、API Gateway、EventBridge、Step Functionsなどを使ったサーバーレスアプリの構築・デプロイ・デバッグ
- aws-amplify:Amplify Gen 2によるフルスタックアプリの構築
- aws-database:Aurora DSQLなどのデータベース設計・クエリ・マイグレーション
- migration-to-aws:他クラウドからAWSへの移行支援
出典:GitHub - awslabs/agent-plugins
deploy-on-awsプラグインのワークフロー
deploy-on-awsプラグインは、以下の5つのステップで動作します。
- Analyze(分析):ソースコードをスキャンし、フレームワーク・依存関係・データストアを特定
- Recommend(推薦):最適なAWSサービス構成を理由付きで提案
- Estimate(見積もり):AWS Pricing MCPサーバー経由でリアルタイムのコスト見積もりを提示
- Generate(生成):CDKまたはCloudFormationによるIaCコードを生成
- Deploy(デプロイ):ユーザーの承認後に実行
AWSの公式ブログでは、Express.js+PostgreSQL+Reactのフルスタックアプリの例として、従来は数時間かかっていたデプロイ作業が、10分未満で完了したとも報告されています。
出典:Introducing Agent Plugins for AWS | AWS Developer Tools Blog
対応エージェント
Agent Plugins for AWSは、以下のAIコーディングエージェントに対応しています。
- Claude Code
- Cursor
- Kiro(AWSの公式AIコーディングアシスタント)
インストール方法(Claude Code)
Claude Codeでのインストールは、以下のコマンドを実行するだけです。
/plugin marketplace add awslabs/agent-plugins
# プラグインをインストール(例:deploy-on-aws)
/plugin install deploy-on-aws@awslabs-agent-plugins
出典:Introducing Agent Plugins for AWS | AWS Developer Tools Blog
Azure Skills Pluginとは?
Azure Skills Pluginは、Microsoftが2026年3月9日に公開したエージェントプラグインです。
出典:Announcing the Azure Skills Plugin | All things Azure
Azure Skills Pluginの主なスキル
Azure Skills Pluginには、以下のような主要スキルが含まれています。
- azure-prepare:プロジェクトを解析してインフラコード・Dockerfile・azure.yamlを生成
- azure-validate:デプロイ前のプリフライトチェック(権限・クォータ・構成の検証)
- azure-deploy:Azure Developer CLI(azd)を使ったデプロイパイプラインのオーケストレーション
- azure-cost-optimization:コスト削減の具体的な提案と実行
- azure-diagnostics:ログ・メトリクス・KQLクエリを使った障害の診断
- azure-ai / microsoft-foundry:AIモデルのデプロイ・エージェント管理
その他にも、コンプライアンス、RBAC、ストレージ、メッセージング、クラウド移行など、幅広い領域をカバーしています。
出典:GitHub - microsoft/azure-skills
3つのレイヤー構成
Azure Skills Pluginの特徴的なアーキテクチャとして、3つのレイヤーが連携する設計があります。
| レイヤー | 役割 | 内容 |
|---|---|---|
| Skills(判断層) | いつ・何を・どの順番で実行するかを指示 | 20以上のキュレーションされたワークフロー・決定木・ガードレール |
| Azure MCP Server(実行層) | 実際のAzureリソースを操作 | 40以上のサービスにまたがる200以上のツール |
| Foundry MCP Server(AI専門層) | AIモデル・エージェントの管理 | Microsoft Foundryとの連携によるモデルデプロイ・カタログ管理 |
出典:Microsoft Azure Skills Plugin Gives AI Coding Agents a Playbook for Cloud Deployment - DevOps.com
対応エージェント
Azure Skills Pluginは、Agent Plugins for AWSよりも幅広いエージェントに対応しています。
- GitHub Copilot(VS Code / CLI)
- Claude Code
- Cursor
- Gemini CLI、Codex CLIなど、Agent Skillsオープン標準に対応するツール全般
出典:Azure Agent Skills | Microsoft Learn
インストール方法(Claude Code)
Claude Codeでは、以下のコマンドでインストールできます。
/plugin marketplace add microsoft/azure-skills
# プラグインをインストール
/plugin install azure@azure-skills
出典:Azure Skills Plugin - Let's Get Started! | All things Azure
Agent Plugins for AWS と Azure Skills Plugin を徹底比較
このセクションでは、両プラグインを7つの項目で比較してみます。
自身の環境やプロジェクトに合ったプラグインを選ぶ際には、ぜひ参考にしてください。
① 基本情報の比較
| Agent Plugins for AWS | Azure Skills Plugin | |
|---|---|---|
| 提供元 | AWS Labs(Amazon) | Microsoft |
| 公開日 | 2026年2月17日 | 2026年3月9日 |
| リポジトリ | awslabs/agent-plugins | microsoft/azure-skills |
| ライセンス | オープンソース | オープンソース |
| 対応クラウド | AWS | Microsoft Azure |
② スキル数・カバー範囲の比較
| Agent Plugins for AWS | Azure Skills Plugin | |
|---|---|---|
| スキル数 | 6つのプラグインに分割 (deploy、serverless、amplify、database、geospatial、migration) |
20以上のスキルを1パッケージで提供 |
| デプロイ支援 | ◎ | ◎ |
| コスト見積もり | ◎(リアルタイム料金参照) | ◎(コスト最適化スキル) |
| 診断・トラブルシュート | △(限定的) | ◎(azure-diagnostics) |
| コンプライアンス | △ | ◎(azure-compliance) |
| AI/MLサービス連携 | △(Bedrock AgentCore等は別リポジトリ) | ◎(Foundry MCP標準搭載) |
| RBAC管理 | △ | ◎(azure-rbac) |
Agent Plugins for AWSは「デプロイ特化」の印象が強く、必要なプラグインを個別にインストールする設計です。
一方、Azure Skills Pluginは「運用・診断・セキュリティ」まで含む包括的なパッケージとして提供されています。
③ MCPサーバー(実行ツール)の比較
| Agent Plugins for AWS | Azure Skills Plugin | |
|---|---|---|
| MCPサーバー数 | 3つ (AWS Documentation、AWS Pricing、AWS IaC) |
2つ (Azure MCP Server、Foundry MCP Server) |
| ツール数 | 非公開 | 200以上(40以上のAzureサービスに対応) |
| リアルタイムデータ | ◎(料金・ドキュメント) | ◎(リソース管理・料金・ログ・メトリクス) |
| AI専用サーバー | なし(標準パッケージには含まれない) | あり(Foundry MCP Server) |
④ 対応エージェントの比較
| Agent Plugins for AWS | Azure Skills Plugin | |
|---|---|---|
| Claude Code | ◎ | ◎ |
| Cursor | ◎ | ◎ |
| GitHub Copilot | △(直接対応の明記なし) | ◎(VS Code / CLI両対応) |
| Kiro | ◎ | △ |
| Gemini CLI等 | △ | ◎(Agent Skills標準対応) |
GitHub Copilotをメインで使っているチームにはAzure Skills Plugin、Claude CodeやKiroを使うチームにはAgent Plugins for AWSが相性が良いと言えます。
⑤ アーキテクチャ思想の比較
両プラグインのアーキテクチャ思想には、明確な違いがあります。
【Agent Plugins for AWS】
AWSの公式ブログやDEV Communityの分析記事によると、Agent Plugins for AWSの特徴は「設計ワークフロー自体をエージェントの能力として定義している」点にあります。
Analyze → Recommend → Estimate → Generate → Deployという5段階のプロセスを構造化された能力としてパッケージ化しており、単なるコマンド実行の自動化ではなく、「設計プロセスそのものの標準化」を実現しています。
出典:Beyond Assistance: The Executive Power of "Agent Plugins for AWS" - DEV Community
【Azure Skills Plugin】
Azure Skills Pluginは「Skills(判断層)+ MCP(実行層)」を明確に分離し、1パッケージに統合している点が特徴です。
さらに、スキルには決定木やガードレールが組み込まれており、「Azureのエキスパートがどう判断するか」をエージェントに教える設計になっています。
ホスト間のポータビリティ(VS Code → CLI → Claude Codeで同じ知識を持ち運べること)も強く意識されています。
出典:Announcing the Azure Skills Plugin | All things Azure
⑥ 前提条件(必要な環境)の比較
| Agent Plugins for AWS | Azure Skills Plugin | |
|---|---|---|
| CLI認証 | AWS CLI(aws configure) | Azure CLI(az login)+ Azure Developer CLI(azd auth login) |
| ランタイム | Node.js(MCPサーバー実行用) | Node.js 18以上 |
| その他 | 適切なIAM権限 | Azureサブスクリプション(無料枠でも可) |
⑦ 総合比較表
| Agent Plugins for AWS | Azure Skills Plugin | |
|---|---|---|
| デプロイ自動化 | ◎ | ◎ |
| スキルの包括性 | ○(モジュール分割型) | ◎(オールインワン型) |
| MCPツール数 | ○ | ◎(200以上) |
| 対応エージェント数 | ○ | ◎ |
| AI/ML連携 | ○ | ◎(Foundry MCP搭載) |
| 運用・診断 | ○ | ◎ |
| 拡張性・モジュール性 | ◎(個別プラグイン構成) | ○ |
どちらを選ぶべきか?ケース別ガイド
比較表だけでは判断しにくい方のために、ケース別の推奨をまとめます。
Agent Plugins for AWSを選ぶべきケース
- AWSをメインのクラウドとして利用しているチーム・個人
- サーバーレスアーキテクチャ(Lambda、API Gateway等)を中心に開発している
- Claude CodeまたはCursorをメインのエージェントとして使っている
- 必要なプラグインだけを選んでインストールしたい(軽量に保ちたい)
- CDK / CloudFormationでのIaC生成を重視している
Azure Skills Pluginを選ぶべきケース
- Azureをメインのクラウドとして利用しているチーム・個人
- GitHub Copilot(VS Code / CLI)をメインのエージェントとして使っている
- デプロイだけでなく、運用・診断・コスト最適化・コンプライアンスまでカバーしたい
- AIモデルのデプロイ(Microsoft Foundry)も行っている
- 複数のエージェントツール間で同じクラウド知識を共有したい
どちらもオープンソースで無料なので、両方インストールして試してみるのもおすすめです。
導入時の注意点とベストプラクティス
どちらのプラグインを使う場合でも、以下の点を押さえておきましょう。
生成されたコードは必ずレビューする
AWS公式ブログでも明記されていますが、プラグインが生成したIaCコードやデプロイ設定は、必ず人間がレビューしてからデプロイしてください。
特に、セキュリティ設定・コスト・レジリエンスの観点でのチェックが重要です。
最小権限の原則を守る
プラグインには実際のクラウドリソースを操作する権限が必要になります。
そのため、必要最小限のIAM権限・RBAC設定で運用することが推奨されています。
スキル・ツールのバジェットに注意
Azure Skills Pluginの公式ガイドでも触れられていますが、多くのプラグインやMCPサーバーを同時にロードすると、コンテキストウィンドウの容量を圧迫する可能性があります。
不要なプラグインは無効化し、必要なものだけを有効にしておくのがベストです。
出典:Azure Skills Plugin - Let's Get Started! | All things Azure
今後の展望:GCPの動向とエージェントプラグインの未来
AWSとMicrosoftがほぼ同時期にエージェントプラグインをリリースしたことは、「AIエージェントがクラウドインフラ構築の入口になる」というトレンドが業界全体で加速していることを示しています。
また、HashiCorpもTerraformやPacker向けのAgent Skillsをリリースしており、クラウドプロバイダーだけでなくインフラツールベンダーにもこの流れが広がっています。
さらに、AWSはフルマネージドのMCPサーバーのプレビューも発表しており、IAMによる認証やCloudTrailによるログ収集がネイティブにサポートされる方向に進んでいます。
出典:Beyond Assistance: The Executive Power of "Agent Plugins for AWS" - DEV Community
よくある質問(FAQ)
はい、同時にインストール・利用できます。マルチクラウド環境を運用している場合は、両方を導入してプロジェクトに応じて使い分けることが可能です。ただし、同時にロードするとコンテキストウィンドウを圧迫する可能性があるので、必要に応じてプラグインを切り替えましょう。
プラグイン自体は両方ともオープンソースで無料です。ただし、プラグインが実行するクラウドリソースの作成や操作には、通常のAWS / Azure利用料が発生します。コスト見積もり機能を使って、デプロイ前に料金を確認することをおすすめします。
自然言語で指示を出せるため、基本的な操作は可能です。ただし、生成されたIaCコードのレビューやクラウドサービスの基本的な理解は必要です。Claude Codeの基本操作に慣れてから導入することをおすすめします。
両プラグインとも、デプロイ前にユーザーの承認を求めるステップが組み込まれています。ただし、まずはステージング環境でテストし、本番環境へは十分なレビューを行った上で適用することが推奨されます。
まとめ
Agent Plugins for AWSとAzure Skills Pluginは、どちらもAIコーディングエージェントにクラウドの専門知識を与えられるプラグインです。
- Agent Plugins for AWSは、デプロイワークフローの自動化に特化した「モジュール分割型」のプラグイン
- Azure Skills Pluginは、デプロイから運用・診断・AI連携まで含む「オールインワン型」のプラグイン
利用しているクラウドプラットフォーム、メインのAIエージェント、プロジェクトの要件に応じて選ぶのがベストです。
両方ともオープンソースで無料なので、まずは自身の開発環境にインストールして実際に試してみることをおすすめします。
「deploy to AWS」「Prepare this app for Azure」と一言入力するだけで、
AIがアーキテクチャ設計からデプロイまでを支援してくれる時代です。
ぜひ、これらのプラグインを活用してみてください。
参考リンク
・公式ブログ:Introducing Agent Plugins for AWS | AWS Developer Tools Blog
・GitHub:awslabs/agent-plugins
・InfoQ記事:AWS Launches Agent Plugins to Automate Cloud Deployment
Azure Skills Plugin
・公式ブログ:Announcing the Azure Skills Plugin | All things Azure
・GitHub:microsoft/azure-skills
・Microsoft Learn:Azure Agent Skills
・DevOps.com記事:Microsoft Azure Skills Plugin Gives AI Coding Agents a Playbook for Cloud Deployment
その他
・Claude Code プラグイン公式ドキュメント:Create plugins - Claude Code Docs
・HashiCorp Agent Skills:Introducing HashiCorp Agent Skills






